17栄養 植物にとっての炭素(C)
17種の必須栄養素から炭素についてご紹介します。
・役割
エネルギー源であるデンプンを合成するため、二酸化炭素、水、太陽を利用して光合成を行います。
・環境
炭素は主に水や大気中の二酸化炭素から葉の気孔を通じて吸収されます。
つまり、風通しが良い環境に置かれる植物は葉の気孔が開いて活発に蒸散される為、炭素がより多く供給され、施設栽培向けの作目収穫量や品質向上に向けた研究や試みが成功した事例もありますが、二酸化炭素が極端に高濃度になると葉の気孔は閉じられ、高濃度の二酸化炭素を有効利用できないことがあり、太陽光が強すぎる時に植物が光合成を停止してしまう現象のように、植物の種類や育成目的に応じた調整が必要です。
また、二酸化炭素が高濃度の環境下ではリン酸、カリの含量が低下する傾向にあり、蒸散の盛んな場合に吸収が活発化されるカルシウムは蒸散抑制の為か、含量低下が著しくなります。
出典:日本作物学会記事 第57巻
強い太陽光下で光合成が休止される場合は、葉焼けなどの症状から問題点がわかりやすい一方で、二酸化炭素が高濃度の環境下では植物への影響がわかりにくいことが特徴です。
二酸化炭素が温暖化の原因として問題視されるため、高濃度の二酸化炭素を効果的に活用できる植物の研究開発により、温暖化問題解決に向けて期待しています。
17種の必須栄養素から炭素についてのご紹介でした。
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